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中村法律事務所

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たかがゴルフ、されどゴルフ、さらばゴルフ

1、今回は趣味の話にします。私は昭和57年に弁護士登録しましたが、昭和62年ころから平成14年ころまで15年間くらい趣味としてゴルフをやっていました。もともと小学校4年のころから父親に連れられて練習場やコースにも行っていたため、我流でしたがすぐに感覚が戻ってきてめきめき腕を上げていきました。趣味とはいえ、私の場合はあくまでも競技ゴルフに徹しました。当時は今とは違って弁護士を取り巻く経済的な環境も比較的余裕のある時代だったため、自分なりに多くの時間をゴルフに裂くことができました。当時、広島弁護士会には「ひまわり会」というゴルフ同好会がありましたが、ここで多くの先輩方と知り合い、公私にわたって鍛えてもらいました。とりわけ、ある有名プロゴルファーの顧問をされているO先生の一言で壁が破れ、シングルになれたことが大きな転機でした。その一言とは、「右膝が緩んでる」ということでした。私の場合、右膝が突っ立ているかたちになって緊張感がないため、スイングに上下動が起き、ダフリやトップの原因になってショットが安定していなかったことです。右膝を内側に絞り込むようにして緊張感を持たせることで上下動がなくなり、インパクトでの右足の蹴りも生まれ、ゴルフが見違えるほどよくなりました。また、オフィシャルハンディがシングルになってからオフィシャルクラブで知り合ったU氏の存在が私のゴルフの上達にとって決定的なものとなりました。U氏は地場の企業の社長さんで、当時オフィシャルハンディは2の方でした。U氏とのラウンドでいろんなアドバイスを受け、大きな刺激を受けました。その結果、どんどんハンディーが上がっていき、オフィシャルハンディは4になることができました。調子のいい時は自分の背中が見えるような感覚にもなりました。少し自慢になりますが、オフィシャルグラブのマンスリー(月例会)では数回、三大競技の理事長杯でも平成8年9月に一度優勝させてもらい、ホールインワンもオフィシャルクラブのコースで3回ほど達成できました。スコアも、慣れているオフィシャルコースのレギュラーティーからであれば、72のパープレーをはじめ、74とか75はよく出ていました。初めてのコースでもハーフで35とか36のパープレーもあり、ゴルフを通じていろんな面で自信となっていきました。しかし、右膝に負担がかかりすぎたことから右膝の変形性膝関節症になり、腰もメンテナンスをせず、我流の筋トレをやっていたこともあって何度もぎっくり腰になり、仕事も忙しくなってきたことから、到底ハンディを維持できなくなり、次第にゴルフから遠ざかり、結局やめてしまいました。ちなみに、ハンディ4を維持しようと思えば、毎日の素振りと少なくとも週1回の練習場通い、それに年間60ラウンドくらいはコースに出なければならず、体に支障が生じてきたこともあって、メラメラと燃えるようなゴルフ熱が冷めていきました。

 

2、ゴルフはプレィヤーの個性がにじみ出るスポーツなので、一般的で標準的な上達法というものがあるわけではありませんが、私の経験を踏まえてシングルになりたいと思っている人にアドバイスするとすれば、次のようなものになります。まず、ベン・ホーガンの「モダンゴルフ」という本を手にとって読んでください。ウイークグリップの勧めとともに、スタンスとボールの位置の関係、それにスイングの軌道を平面としてみたスイングプレーンというものがあることに気づかされます。グリップはゴルフクラブとプレイヤーを結びつける非常に大切なところなので、一度変な癖がつくとなかなか変えられなくなるので気をつけてください。飛ばそうとすると、右打ちの人は右手に力が入り、どうしても右手がかぶってくるストロング(フック)グリップになります。これがフック病の原因になってきます。ウイークグリップはその欠点を矯正するもので、飛距離は落ちますが方向の正確性は増してきます。ゴルフは、アマチュアの場合、ミスをできるだけ少なくするゲームですので、このグリップをお勧めします。もっとも、ウイークグリップをマスターすると、今度はもっと飛ばしたいという欲にかられて、次第にストロンググリップ気味になっていきますが、この欲との戦いが最後まで続いていくことになります。また、スタンスとボールの位置もグリップと同じくらい大切で、図解しないと正確には伝わりませんが、大雑把に言うと、ドライバーの時がスクウェアースタンスで左足かかと線上にあるボールが、サンドウェッジの時にはオープンスタンスで右足かかと線上にくるまで、徐々に変化し移動させていくことになります。これは、自分の感覚でやっていくしかありません。そして、スイングプレーンですが、その人によってプレーンの角度は違ってきますが、自分なりのスイングプレーンはあるはずで、それを見つけるように意識していかなければなりません。

 

3、次に大切なのが素振りです。練習場で実際に球を打つのと同じくらい大切です。なぜかと言えば、スイングは一定のリズムとテンポをもった一つの大きな流れであり、球を打つとどうしてもインパクトに力が入り、フォロースルーが疎かになっていきます。インパクトはスイングの通過点に過ぎず、フォロースルーからフィニッシュまできて初めてスイングが完了することになります。素振りで気をつけなければならないことは、インパクトゾーンをできるだけまっすぐにすることと、体重移動をしてフィニッシュでは左足に全体重がかかるように心掛けることです。この時、スイングプレーンがどの程度傾いているかによって、球筋がドロー系になったりフェード系になったりします。正確性の点でフェード系の球筋がおすすめです。いわゆるスライス病は、スイングの軌道がアウトサイドインになっているため、インパクトでフェースはまっすぐでもカット打ちのようなかたちになり、ボールにスライス回転がかかるためです。スイングの軌道をできるだけまっすぐなものにすれば治ってくると思います。この要領で練習場で打ってみますが、思うような球筋が出なければ、その原因がグリップの緩みにあるのか軌道にあるのかを考えて、その練習場で直してしまわなければなりません。前出のベン・ホーガンは大変なメモ魔で、練習場でも気づいたことを事細かにメモしたとのことで、われわれもコースに出たときはもちろん、練習場でも気づきはメモしておきたいものです。練習場では、常に、グリップ・スタンス・ボールの位置に気をつけながら、クラブの番手による飛距離の違いをできるだけ正確に測るようにしなければなりません。また、コースでは、練習場で打てない球は決して打てないことを肝に銘じておくべきです。インテンショナルフックやスライスだけでなく、トラブルショットも、たとえば木の幹が邪魔になってアドレスが取れない時のために、逆さ打ちを練習しておくといいでしょう。

 

4、私がゴルフをしていた時は、ロングアイアンからユーティリティへの過渡期で、個人的にはロングアイアンにこだわりを持っていましたが、クリークは3番アイアンの代わりに多用しました。200ヤード(現在はメートル表示になっているが)先のピンを直接狙えるので重宝しました。今ではいろんなユーティリティが出ているので、気に入ったものはどんどん取り入れていくべきだと思います。アイアンショットについては、私の場合5番アイアンで丁度ボールの位置が両足かかとの中間地点にくるようにアドレスし、ボールの先でターフをとるようにしていましたが、4番以上はスゥィープショットすなわち払い打ちをするような感じで打っていました。また、バンカーショットが最初のころは苦手でバカにされ随分悔しい思いをしましたが、バンカーショットのためだけに練習場に通った時期もあったおかげで、一番得意なショットの一つになりました。バンカーショットのコツは、手のひらの中でクラブのグリップを回してクラブのフェースを開き、フェースのエッジの向きをピンに合わせるようにスタンスをとり、Vの字を描くようにアーリーコックでバックスイングをして、ボールの少し手前にクラブのバンスを打ち込めば楽にボールを出すことができます。ピンに寄せていくためには、アゴの高さ、ピンまでの距離と傾斜や芝目、砂質の違いによって、フェースの開き加減やスイングの大きさ、フォロスルーの取り方を調節していくことになります。ライが悪い時のショートアプローチのコツとしては、クラブのトゥーの部分で打つとダフらないので、パターのときのように少し吊り上げるように構えると打ちやすいです。さらに、どうしてもドライバーで飛ばしたいときの打ち方としては、長尺ではなく少し短尺のドライバーで、高いティの球を野球のバットを振る感覚で少しアウトサイドインに思いっきり振りぬき、力強いフェード(パワーフェード)の球筋にするのも一つの方法だと思います。かなり個人差もあることなので、自分自身でいろいろ試してみてください。いずれにしても、ゴルフにのめり込むときりがなく、時間とお金と丈夫な体がないと続けていくことはできません。私にはいずれも限られてきていますが、ゴルフに対する興味自体がなくなってしまいました。

 

5、ゴルフはメンタルなスポーツで。その日の体調や気分にもよりますが、ラウンド中のショットの度毎でもショットの良し悪しが変わってきます。決して調子にのらず、また、悲観することもなく、最後まで慎重に一打一打に集中していかなければなりません。最終ホールまでいいスコアできて、最後のティーショットでOBを打ったとしても、すぐに気分を切り替え、番手をアイアンにでも代えて打ち直すことができればそんなに大たたきすることはないでしょう。よくゴルフは人生の縮図と言われますが、そのとおりだと思います。いい人との出会いが絶対に必要で、自分一人での成長には自ずから限界があります。日頃の準備と努力の成果は必ず出てきます。ゴルフでも、いくら練習してコースに出たとしても、バーディが欲しい欲しいと思っているだけでは決してバーディはきません。ダブルボギーをうたないように必死でボギーで我慢し、なんとかパーを拾っているようなとき、なにかの僥倖のようにバーディがくるものです。運だけを求める人に運が来ないのと同じことだと思います。必死で前向きに努力しない人には幸運の女神はほほ笑みません。ただ、ゴルフの女神は、いたって気まぐれで意地の悪いところがあるので、くれぐれも用心してください。短気を起こしてくさらず、その日のプレーを楽しんでください。少し長くなりましたが、私のゴルフに対する追憶でした。

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